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ソル/バレエ「アルフォンスとレオノール、または恋人は絵描き」序曲,モリエール,楽譜


フェルナンド・ソル

バレエ「アルフォンスとレオノール、または恋人は絵描き」序曲

校訂●セルヒ・カサデムント、42頁 
7,245円(税込価格)

ソルは生涯において最低10曲のバレエ──イズミルの市(1821年)、心寛き領主(1821年)、シンデレラ(1822年)、アルフォンスとレオノールまたは恋人は絵描き[1幕版](1823年)、アルフォンスとレオノールまたは恋人は絵描き[3幕版](1824年)、ヘラクレスとオムパレー(1826年)、シシリー人または恋人は絵描き(1827年)、ハッサンとカリフまたは目覚めた寝坊男(1828年)、綺麗なシシリー娘または征服された尻軽娘(1834年)、アルセーヌまたは魔法の細杖(1839年)──と若干のバレエ用小品を作曲している。その内楽譜が現存するのは、シンデレラ(1822年)、アルフォンスとレオノールまたは恋人は絵描き[3幕版](1824年)、ヘラクレスとオムパレー(1826年)、シシリー人または恋人は絵描き(1827年)、アルセーヌまたは魔法の細杖(1839年)の5曲だけである。
 アルフォンスとレオノールまたは恋人は絵描きは、もともとモリエールの喜劇「シシリー人または恋人は絵描き」(1667年)を原作に1823年にロンドンでアナトール・プティの振り付けで上演された1幕のバレエだったが、バレリーナだったソルの2度目の妻フェリシテ・ユランのアイディアにより、ソルは3幕に改編し、ユランの振り付けにより1824年12月にモスクワで上演された。
 ところでである。ソル研究の第一人者ブライアン・ジェファリ博士は、その伝記中の作品カタログでこのバレエがオペラ座図書館に現存すること、しかも自筆譜であること(有名なシンデレラは筆写譜は現存するが、自筆譜は残っていない)、総頁が176頁であること、表紙のタイトルには……、と明らかに自筆譜を実見してデータを記録している。中も見ればよかったのに…。私は数年前に中身を見たのだが、驚いた。ソル自身によるバレエの粗筋がついている。ふむふむ。幕毎の背景の絵が付いている。ふむふむ。楽譜が始まった。ふむふむ、他のバレエより丁寧な書き方だなあ。ふむふむ。(曲は10曲目を過ぎている)。おお! 曲の途中からギターまたはハープというパートが出てきたぞ! スペイン舞曲のリズム刻んでいる。次の曲はなんだ、クラリネットとギターのデュエットだぞ!! うぉー、またギターとオーケストラの曲!! このメロディーは魔笛だ!!!! ソルは同時代のジュリアーニやカルッリとは異なり、他楽器との合わせはほとんどないに等しい。これは世紀の大発見だ。文章にして世界に発表しなくちゃ。……。あれから4年、仕事が忙しいということは罪です。それよりも怠慢はもっと罪です。ついに恐るべき出版物が出てしまった。この楽譜である。救われるのは序曲のみの出版だったこと。校訂者は解説の中で「いくつかのパッセージの中でギターとハープが使用されている」と書いているだけ。まだ間に合うな。エヘン、みなさん、ここでまだ知られていないソルの
新発見について発表します。
 
「ソルの他楽器とのアンサンブルは、失われたギターと弦楽トリオのためのコンチェルタンテ、そしてヴァイオリンとギターのための編曲ラ・ロマネスカしか知られていませんでした。ところがです。ソルがオーケストラ作曲家たらんとして力を注いだのはバレエ音楽でしたが、その中に探し求めるものはありました。ギターとクラリネットの二重奏曲が1曲、ギターとオーケストラの曲が2曲です。しかも後者の2曲めはソルが変奏曲でも使用した「魔笛」の主題です。そのバレエは1824年にモスクワで初演された、アルフォンスとレオノールまたは恋人は絵描き[3幕版]です」。
 「ところで、このバレエはヘ長調で書かれていますが、ギターパートはホ長調で記譜されています。ということは、カポタストを1フレットに取り付けたか、調弦を半音高くしたということになります。私の推測は調弦によるものです。ソルは6弦を半音上げる調弦の作品を多く残しているし、なにより楽器の鳴りがよいと想像されるからです。以上で重大発表を終わります」。

[内容]


ソル倶楽部  作品表


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