Intervirew with Ken Shibata
& Atsuko Fukuyama Duo
by Sakie Nomoto
インタビュー/柴田健&福山敦子デュオ、ニューアルバム録音
2005年春、3rdアルバム、リリース
文・写真/野本紗紀恵

デュオ結成から18年。レパートリーの開拓に意欲的な柴田
健&福山敦子デュオ。先頃2004年12月14日〜15日、キララ・ホール(東京都あきる野市)でニューアルバムの録音が行なわれた。彼らの3枚目のCDである。ディレクターは毛塚功一、録音エンジニアはタッド・ガーフィンクル(MAレコード)。来春HOMA
Recordsからリリースの予定。このインタビューは、まさに録音終了後に行なわれた。
今回のアルバムはどういう内容になりますか?
まだ確定ではないのですが、アルバム・タイトルは「A
Paris」にしようかと考えています。「パリにて」とか「パリへ」「パリで」とかいういろいろな意味を含んでいます。パリに縁りのある作曲家の作品を集めたものです。
なぜパリなのですか?
まず、僕はパリに留学していました。そして、今回も友人の小川
崇さんがわたしたちのために作曲してくれた曲が入っている。彼は作曲家として活躍しているのもパリです。また、ソルやヴィラ=ロボスなど、多くの作曲家が一度はパリに勉強または演奏しに行っているんですね。ブラジル、スペイン、日本といったように国籍も時代も違いますが、パリの影響を受けたという共通点を持つ作曲家たち。そういう人たちの作品がまとまっているのは面白いんじゃないかと思いました。

(柴田)デュオ円満の秘けつは、自己主張はちょっと置いておいて、とりあえず
続けてみること。共同で1つの音楽を作り上げようという意志があれば解釈の
違いなどは解決します。(福山)長く続けると、統一性のあるひとつの音楽が
できあがりますよ。
一番の聴きどころは?
ヴィラ=ロボスのギター協奏曲でしょうか。これは僕が学生の頃からやりたかった曲なんですよ。でもやるとなるとオケが必要だし、なかなか機会がないんです。しかし、デュオだといつでも演奏できますし、ソロのパートも表現したいことが容易になるんですよ。デュオであればいろんな曲が演奏可能になる。自分のやりたかった曲が何でもできる、これは素晴らしいことです。
プ−ランクも聴いてほしいですね。プーランクの洗練された音楽をいかにギターで表現するか、これは大きな課題でした。なるべく俗世間の垢にまみれたような音楽にならないように、フランスの品位を保ったまま表現したいと思って取り組みました。ご存じのようにプ−ランクは有名な作曲家ですがギターではあまり弾かれていません。非常に親しみやすい曲ばかりで、しかもギターに合う曲も多いんですよ。

ソロにはないデュオの魅力とは何だと感じていますか。
まず、ギターというのはものすごく表現力のある楽器なんですね。ヴァイオリンは片手は指で押さえているけれど弓で音を出す。ピアノは人間の手が触れないところで音が作られます。その点、ギターは人間の手が直接音に関わってくるので、感情などを最もダイレクトに伝えやすい楽器だといえます。一方で、音量が小さい、音が繋がりにくい、音の減衰が速いといった制約も多くあります。でも、それらはギターを2本にすることによってカバーできるんですね。技術に余裕ができ、表現力がより豊かになる。しかも、単に2倍になるのではなくて、4倍、8倍にもなるのえす。そうすると、ドビュッシー、ブラームスなどの大作曲家の作品に接することも可能になります。大作曲家と呼ばれる彼らの音楽レベルは非常に高く、奥が深く、とてつもない世界が広がっている。それらの作品を、ギターを用いて自分たちで表現できるということは、非常にやりがいのあることですね。
早く聴きたくなってきました。今日はお疲れのところ、ありがとうございました。
(2004年12月17日)
[収録曲]
ヴィラ=ロボス:ギター協奏曲(柴田
健・編ギター二重奏版、世界初録音)
小川 崇:ソナタ第4番「復活」(世界初録音)
ルイス=ピポー:ヴィラ=ロボス讃歌
ソル:アンダンテ・カンタービレ(柴田
健・編、世界初録音)
プーランク:即興曲第12番「シューベルト讃歌」(柴田
健・編)
プーランク:即興曲第15番「エディット・ピアフ讃歌」(柴田
健・編)
プーランク:村人たち(柴田 健・編、世界初録音)
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