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Intervirew with Raphaella Smits by Sakie Nomoto

インタビュー/ラファエラ・スミッツ、2度目の来日

文・写真/野本紗紀恵

 2002年の初来日に続いて2度目の来日を果たしたラファエラ・スミッツさん。東京のベルギー大使館で演奏した翌日、ホマドリームを表敬訪問してくれました。零細企業ホマドリーム、うれしさの余り、早速インタビューを敢行。



日本は2度目ですが、お気に入りの場所はありますか?

 それほど日本の土地には詳しくないのですが、1ケ所挙げるなら広島です。広島は原爆ですべて破壊されたけれども、今はあんなに美しく町が再建されている。これは驚異であり、強く心を打たれます。人間は簡単にいろいろと破壊してしまうけれど、それを復興させるのもまた人間なんだなと。
 また、自然の中に溶け込んでいる日本の寺院の風景は素晴らしいです。庭園も美しいですしね。

では最新CD「夜の調和」(アクサン、2004年リリース)についてお聞かせください。

 このCDはメルツとジュリアーニの2人の作品だけが入っています。86年にもメルツとジュリアーニだけでCDを作っているので、今回は2枚目です。この2人の作品、私は好きなんですよ。

 今回のCDでは2種類のギターを使っています。メルツ作品はミルクールの楽器、でも7弦なので低い音域も出せるので、メルツの雰囲気を表現するのに一番適していると思いました。色彩感豊かで力強い楽器です。非常に気に入っています。〈タランテラ〉は有名ですが、〈夜の調和〉〈ル・ロマンティック〉〈序奏と華麗な変奏曲Op.11〉は珍しいと思う、おそらく初録音です。メルツの曲はシューベルトと共通する部分も多く、ロマンティックで幻想的で、感情を込めやすい。だから私はメルツの音楽が大好きなのです。

 ジュリアーニは〈ロッシニアーナ第1番Op.119〉〈ソナタOp.15〉〈私の愛する花の選集Op.46〉(抜粋)を収録しました。レコーディングではルドルフという楽器を使いました。19世紀前半のギターの中ではラコート、パノルモなどと並んで有名です。またボディが大きいのが特徴です。〈ソナタ〉は厳格な古典様式で書かれており、ベートーヴェンの初期の作品との共通性があります。〈ロッシニアーナ〉はロッシーニのオペラのアリアを集めた魅力的な曲です。

 CDの評価がだんだん上がってきたのでしょうか、最近でははコンサートの主催者からCD収録の曲を弾いてほしいとよく言われるので、演奏会プログラムにも入れています。

録音はどこで行なったのですか?

 オランダの教会です。閑静な場所にある教会だったので外部の音は気にならなかったのですが、暖房をつけたことで木がきしむ音がしてしまいました。だから、木の音がしなくなるまで長い時間録音を始められませんでした(笑)。

次のCDの予定はもう決まっていますか?

 9月に録音して、来年の春に発売予定です。ブローウェル、武満、そしてヘンドリックスの〈サエタ〉を入れます。ブローウェルと武満は有名なのでヘンドリックスについて話しましょう。彼は作曲家であり優秀なパーカッション奏者でもあります。私と同じくアントワープの近くに住んでいます。これまでオーケストラ作品、オペラ、弦楽四重奏、ピアノ、そしてギターのための作品を2曲〈ディープ・サイレンス〉〈サエタ〉を書いています。

 〈ディープ・サイレンス〉は5年前に私のために書かれたもので、タイトルからも想像できるように心癒される曲です。〈サエタ〉はヘンドリックスがキリストの受難にアイデアを得たもので、20分に及ぶ大曲です。現代曲ですが、いわゆる現代音楽ではなく、大変聴きやすい曲だと思います。とりわけ〈マリアの嘆き〉の楽章はとても美しいものです。深みのある低音が刻まれ、フラメンコ風のメロディーが流れるのですが、聴衆は必ず涙します。

 〈サエタ〉は2004年5月に作曲され、夏にドイツで初演し、その後もイギリス、南アメリカなどで演奏しました。3月5日の博多の演奏会が日本初演となります。

ぜひとも聴いてみたいですね。ラファエラさんは結婚していますが、主婦業とギタリストの両立はどのように行なっていますか?

 演奏と家事もですが、さらに週2日は大学でも教えているので本当に忙しい毎日です。きちんと自己管理が行なえればうまくバランスがとれるとは思いますが、簡単ではありません。私がラッキーなのは、すばらしい夫とめぐりあったことです。私たちは若くして結婚しましたが、いまも良い関係が築けています。夫婦の相互理解がなければこうしていられません。夫はインターネット関連の会社勤めていますが、私が多忙なことも、演奏旅行に行って家を空けることにも理解があります。そう、料理も得意なのですよ(笑)。もちろん、私も料理は得意ですけれど。私のホームページも夫が作っています。近々、デザインを一新すると言っていました。

お子さんが小さかった時はたいへんだったのではないですか?。

 25歳と23歳になる子供がいるのですが、赤ちゃんの頃は寝かしつけてから、練習しました。起きているときは目が離せないので絶対練習しませんでした。もちろん、練習していない時は料理、育児、雑用など、同時進行でやっていましたよ。女性は同時にいろんなことをテキパキできるでしょう、だから私はとても女らしいの(笑)。いざとなれば誰だって、限られた時間の中でやらなければいけないことをこなせると思いますよ。

 また、母親になった頃はまだ若く、コンサートも少なかったし、教授活動も半日勤務だったし、さらに夫も半日勤務だったので、家事も分担しあうことができました。これが、子育てをうまくやれた大きな理由かも知れません。

参考になります。ところで時間があるときは何をして過ごしていますか?

 忙しくて時間がなく、趣味に時間がさけないのが現状です。時間があったら読書や映画鑑賞、音楽鑑賞をおもいっきり楽しみたいですね。

前回の来日のとき、おみやげには何を買いました?

 食料品です。日本のさまざまな調味料やお茶を買って帰りました。もう使い切ってしまったので、また日本にやって来たという訳です(笑)。今回はあまりたくさん買わないから、またすぐに日本に来られると思うわ(笑)。

今日は忙しいところホマドリームにいらっしゃていただき、ありがとうございました。またたくさんの話、楽しかったです。週末から日本公演が始まりますが、ご成功をお祈りしています。

(2005年3月3日)

 

ラファエラ・スミッツ公式ホームページ


■2005年来日公演プログラム

ミルクールのギター(1827年製)による演奏
・レニャーニ/カプリスOp.20より
・シューベルト/住み処
・メルツ/夜の調和
J.ギルバート・ギター(1980年製)による演奏
・S.アサド/さようなら(組曲「夏の庭」より)
・ヘンドリックス/サエタ
・バッハ/シャコンヌBWV1004より

■2005年来日公演スケジュール

「ラファエラ・スミッツ ギターリサイタル」2005年3月5日(土)19:00開演
会場:九州日仏学館5F多目的ホール 問合せ:
九州日仏学館 092-712-0904

「ラファエラ・スミッツ公開レッスン」3月6日(日)13:00開始
会場:フォレストヒル2Fフロア 問合せ:
フォレストヒル 092-715-3828

「ラファエラ・スミッツ ギターリサイタル」3月8日(火)19:00開演
会場:ザ・フェニックスホール 問合せ:
ベルギーフランドル交流センター 06-6773-8850

琵琶湖リサイタルシリーズ「ラファエラ・スミッツ ギターリサイタル」
3月9日(水)19:00開演 会場:琵琶湖ホテル・チャペル 077-524-7111
問合せ:
マンサーナ 075-972-2834



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