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Intervirew with Masahiro OJIRI by Sakie Nomoto

インタビュー/尾尻雅弘、知られざる日常生活

新作CD情報付き〜


文・写真/野本紗紀恵

 昨年、CD「バッハのリュート作品集」をリリースし、精力的に演奏活動を行っている尾尻雅弘さん。日本で最も忙しいギタリストのひとりではないだろうか。一方で、3児の父親という顔も持ち合わせている。仕事で上京した機会をつかまえて、あまり知られていない尾尻さんの日常生活についてお伝えする。


お住まいは長野県軽井沢町ですよね。

 長野オリンピックのあった冬の前の秋に移り住んだので、かれこれ6、7年になりますね。子供ができたときに、仕事で留守になったらどうしようかというところから始まりました。カミさん(斎藤明子さん)の両親は軽井沢に住んでいましたし、自分の父親は亡くなっていて母親も高齢でした。そんなことでいろいろ悩んでいるうちに、軽井沢のカミさんの両親宅の2軒隣が売りに出たので、「ここ、いいんじゃない」と結構安易に決めてしまいました。

 山の中なので塀もなく、両親の家の様子もすぐわかり便利です。電気がついてるな、ついてないな、燃えてるな、燃えてないなとか(笑)

 1年目の冬にはたくさん雪が降って、びっくりしました。雪かきはとにかく大変です。今年も大雪が降って、一晩に60センチも積もった日がありました。4月いっぱいまでスタッドレスタイヤを付けてる人もいますね。でも「住めば都」と言うように、住んでみるといい所でとても気に入っています。

仕事は東京が多いのですか?

 仕事は日本全国ばらばらです。東京が多かったらやっぱり東京に住んでた方が楽だったと思います。でもやっぱり、子供や練習のことを考えると、軽井沢の方が気が楽です。子供が増えたおかげで練習時間が減ってるというのが現実(笑)。練習がしたくても炊事、洗濯、多々ありますので(笑)

お子さんは何人ですか?

 3人。長男の大陽(まさあき)は小学校1年生。「まさひろ」と「あきこ」だから「まさあき」です。まん中は春花(はるか)、今度5歳になる年中さんです。一番下は美乃里(みのり)2歳。


左から、春花ちゃん、美乃里ちゃん、大陽ちゃん

お子さんたちはギターを弾くのですか?

 誰一人としてギターを弾きません。ときどきギターのネックが電車の線路になったり、引きずり回したりとかしてますね。

 カミさんが長男に弾かせようとトライしていたことはあったのですが、だめだったようです。今は合気道とかスキーとか絵を描いたりとかが好きみたい。あと彼の最近のブームは百人一首。おじいちゃんおばあちゃんの影響なんでしょうね。節を付けて読んでいます。

親になったことで活動に影響はありましたか?

 二重奏が減ったかな、というかできない。二人で家を空けてしまうと両親が大変なので。日帰りのものだけに限定すると、やっぱり減ってきてしまいます。今はお互い、ソロや他の楽器と合わせたりというのが多いですね。4月に「川口ギターを聞く会」という演奏会で、それぞれのソロと二重奏を1曲演奏することになっています。


左は斎藤明子さんではありません。菅原しのぶと萌真ちゃん


現在しているお仕事は?

○演奏と教えるのを少しと家事。編曲もしますが、自分のための編曲が多いので、よく考えてみると世間のためにする編曲の仕事とは別の枠で考えなければいけないと思います。一番輝いているのはやっぱり主夫(しゅふ)ですね、なーんて。家にいるとやることがたくさんあって。子供を送りだして、いなくなった後は掃除しようかな、布団片付けようかな、お昼の献立は何にしようかしら、とか。ギタリストの家庭なんて、どこもこうなんじゃないのかな。

ところで、次のCDを準備中だと聞きましたが。

 バイオリンとギターのデュオ。タイトルは未定ですが、スペインものを集めた内容なので、それに絡めたアイデアはないかなと考えているところです。メインになるのがサラサーテの〈カルメン幻想曲〉、ファリャの〈7つのスペイン民謡〉のうちバイオリンとピアノ用に編曲されている6曲(コハンスキー編曲)。そしてモンポウの〈内なる印象〉という、もともとピアノソロだった曲をギターとバイオリンに編曲したものをやります。そしてアンコール的にサラサーテの〈サパテアード〉〈スペイン舞曲ハ長調作品26-2〉。あとはギターソロを何曲か入れる予定です。

 レーベルはオクタヴィア・レコード、録音は2月末で、発売は順調にいって7月上旬くらいかな。

モンポウの〈内なる印象〉の編曲は珍しいですね。

 光永(みつなが)浩一郎さんという作曲家の友人が「この曲、バイオリンとギターに合うんじゃない?」という感じで、編曲してくれました。光永さんは、デュオのパートナーであるバイオリンの小林美恵さんの芸大時代の友人なんです。一度、六本木のスイートベイジルで、僕と光永さんと小林さん3人で演奏したこともあります。ソロギターの短い曲を1曲書いていただいたこともあるし、大きな組曲を作曲してもらっている最中です。


それは楽しみですね。今日はもう1月最後の日ですが、今年の抱負はいかがですか?

 早くCDを撮り終えて、演奏会をぼちぼちやって、というのが理想ですね。なんとか今年も無事、病気もしないで乗り越えたいな、それだけです。

今日は楽しいお話ありがとうございました。今後のご活躍も期待しています。

(2005年1月31日)

 

「川口ギターをきく会」
演奏:尾尻雅弘、斎藤明子
日時:4月3日(日) 午後2時開演
場所:川口市立横曽根公民館
お問い合わせ:上原雄二 tel&fax 048-286-0365
料金:¥2,000



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